使い道

在宅のコールセンターで、SV の「となりの席」を仮想オフィスにつくる

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在宅のコールセンターには、電話の仕組み(CTI など)の数字では埋まらない SV(スーパーバイザー)の仕事があります。通話の合間の「ちょっと聞いていいですか」に答えること、新人の手が止まったことに気づくこと、朝会と終礼で調子をそろえることです。通話・録音・品質の管理は今の電話の仕組みに任せ、相談と声かけの場所だけを仮想オフィスに置く。こう分けると、在宅でも SV に声をかけやすい席をつくれます。

ここでは、Hotori を使ったやり方と席の配置の例を、電話の現場の目線でまとめます。電話とオンラインの商談を行き来する、在宅のインサイドセールスのチームでも同じように使えます。

在宅にすると、SV の手元から何が消えるのか

電話の現場を長く見てきて思うのは、SV の仕事の多くが「通話と通話のあいだ」にあることです。在宅にすると、そこがまとめて見えなくなります。

通話の合間の「ちょっと聞いていいですか」

オフィスなら、電話を切った直後に振り向いて、一言聞けました。「さっきのお客様、解約の手続きはどこまで案内していいですか」。在宅では、この一言のためにチャットを書くか、通話のアプリを開くことになります。書くほどでもないと思った質問は、そのまま飲み込まれます。

新人の手が止まったことに気づく目

オフィスでは、台本を見つめたまま次の電話をかけられずにいる新人に、SV が気づいて声をかけられました。在宅では、その様子が見えません。架電の件数で気づくころには、本人はもう一人で悩み終えていることがよくあります。

朝会と終礼の空気

朝会でその日の目標と注意点をそろえ、終礼で「今日うまくいった切り返し」を分け合う。この短い時間が、チームの調子を整えていました。資料をメールで送るだけになると、話し方の勘どころが伝わりにくくなります。

電話の仕組みと仮想オフィスで、役目を分ける

先に線を引いておきます。Hotori は、相談と声かけのための場所です。お客様との通話や録音、品質の管理、勤怠の打刻、滞在時間の集計はしません。

やりたいことどこでやるか
お客様との通話・録音お使いの電話の仕組み(CTI など)
通話を聞いて品質を確かめるお使いの電話の仕組み、または今のやり方
出勤・退勤の記録今お使いの勤怠のしくみ
通話の合間の相談・声かけ仮想オフィス(挙手・近づく・ノック)
朝会・終礼・ロールプレイ仮想オフィスの会議室

Hotori は、音声・映像・チャットをサーバーに残しません。録音・録画の機能もありません。誰が何時間いたかの集計や、管理者が個人の滞在時間を見る画面もありません。入室・退室を Slack や Chatwork に知らせる設定はありますが、送るのはオーナーが選んだときだけで、初期設定で選ばれているのはノックだけです。カメラは、本人が付けたときだけ映ります。

見られていると感じると、手は挙がりにくくなります。始める日に「見張るための道具ではない」とオペレーターへ伝えておくと、相談が出やすくなります。

困ったら挙手、SV が近づく

下のバーの「挙手」を押すと、地図の上の自分のアバターに、手を挙げた印が付きます。声を出さなくても合図になります。SV は印を見つけたら、アバターでその人のそばまで歩きます。3マス以内に近づくと、そのまま声がつながります。

  1. オペレーターが電話を切る。または、お客様を保留にする
  2. 下のバーの「挙手」を押し、マイクを入れて待つ
  3. SV が地図で印に気づき、そばまで歩く(SV は仮想オフィスの画面を、手元の画面の端に開いておく)
  4. 声がつながったら話す。聞き終わったら、挙手を外す

声の大きさは、1マスまでが100%、2マスで70%、3マスで45%で、4マスから先は届きません(聞こえるのは近い順に8人まで)。相談の声は、まわり3マス以内にいるほかの人にも聞こえます。長くなりそうなら、次に書くブースへ移ります。

話している相手には、カメラや画面共有も見せられます。「この画面のこの欄、どう入れますか」と、見ている画面のまま聞けます。ただし、映像は声が届いている相手みんなに届きます。お客様の情報が映る画面を見せるときは、2人でブースに移ってからにし、センターの決まりに従ってください。

電話の最中で声を出せないときは、DM で短く聞く手もあります。DM は500字まで送れて、サーバーには保存されず、相手がオンラインのときだけ届きます。あとで見返したい答えは、手元のマニュアルなどに書き残しておきます。

離れた人には、ひとこと添えてノック

SV から声をかけたいときは、相手が電話の最中かもしれません。いきなり近づいて話し始めるより、ノックが向いています。メンバー一覧の「ノック」から、ひとこと添えて知らせます。たとえば「さっきの対応、2分だけふりかえれますか」。

相手が「承諾してブースへ」を押すと、2人で空いているブースに移ります。手が離せないときは「あとで」と返せますし、断ることもできます。席を外している人には、設定しておけば Slack のチャンネルや Chatwork のグループチャットにも知らせが届きます。

ノックは、オペレーターから SV へも使えます。厳しい電話のあとに、少しだけ話を聞いてほしいときなどです。その場にいる人をまとめてブースへ誘うこともできるので、SV と先輩と新人の3人で、短くふりかえることもできます。

全員に知らせたいこと(「いま電話が混み合っています」など)は、全体のチャットに流せます。保存はされず、今オンラインの人にだけ届きます。

ステータスの読み替えを、チームで決めておく

ステータスは、在席・集中・会議中・離席の4つです。アバターの点の色で分かり、メンバー一覧には、その人がいる場所も出ます。「通話中」というステータスは無いので、どれを何に読み替えるかを、チームで決めておきます。

ステータス読み替えの例SV の動き
在席通話の合間近づいて声をかけてよい
会議中受電・架電の時間近づかず、ノックか DM
集中後処理・研修の動画急ぎでなければ、あとで
離席休憩・席を外している戻るのを待つ

挙手の印が付いている人には、ステータスにかかわらず近づいてかまいません。

ステータスは、本人が選ぶか、操作の有無とカレンダーの予定で自動で変わるだけです。電話の仕組みとはつながっていないので、通話が始まっても、ひとりでには切り替わりません。

受電や架電の時間が決まっているなら、カレンダーに繰り返しの予定として入れておく手があります。カレンダーを登録しておけば、予定が始まったときに在席なら、自動で「会議中」になります(終日の予定は対象外)。

気をつけたいのは、自動の「離席」です。5分間操作がないと、自動で「離席」になり、マイクも切れます(会話中は切りません)。電話の画面で作業している間は、仮想オフィスの画面を操作していないので、働いていても「離席」と出ることがあります。点の色は「いま声をかけてよいか」の目安として使い、働きぶりの判定には使わないでください。誰が通話中かを確かめたいときは、電話の仕組みの側の画面を見るのが確かです。

新人の手が止まったことに、どう気づくか

正直に書くと、仮想オフィスでも、新人の手元は見えません。カメラを付けさせて見張る使い方は、この道具の考え方とも合いません。代わりにできるのは、次の三つです。

  • 合図を軽くする。挙手は、言葉にしなくても押せます。「こんなことを聞いていいのか」と迷った時点で押してよい、と最初に決めておきます
  • SV から回る。通話の合間の時間を決めて、SV が新人の席のそばを歩いて回ります。在席の人には近づいて「どうですか」と声をかけ、会議中の人には、あとでノックします
  • 数字は入口に使う。架電の件数などは電話の仕組みで見て、気になる人がいたら、メッセージを送るより先に、そばまで歩いていきます

集中席は、後処理や研修の時間に

集中席の中では、まわりの声が届かず、自分の声も届きません。映像もやり取りしません。席を立てば、いつもどおりに戻ります。

電話のあとの記録(後処理)を落ち着いて書きたいとき、研修の動画を見るとき、新しい台本を覚えるときに向いています。ステータスの「集中」は見た目の合図で、集中席は声そのものを止める場所です。使い分けると、「話しかけないで」を言葉にしなくて済みます。

朝会と終礼は、会議室で

会議室の中では、部屋の中の人と、距離に関係なく話せます。カメラと画面共有は部屋の全員に届き、部屋の中だけのチャットもあります。

会議室の中は、ビデオ会議と同じく、人数に関係なく全員の声が聞こえます。センター全体の朝会も、チームごとの朝会も開けます。

朝会では、SV がその日の目標や、台本の変わった所を画面共有で見せます。画面共有は部屋の全員に届くので、大事な数字や連絡は、話すだけでなく画面にも出しておくと確かです。質問は挙手で受けます。手を振る・いいねなど6つのリアクションもあるので、前の日に成果を出した人を、声を出さずにたたえることもできます。

終礼では、その日うまくいった切り返しを、本人の言葉で話してもらいます。話し方の勘どころは、文字よりも声のほうが伝わります。新人のロールプレイも、そのまま会議室で続けられます。

会議室の声と映像は、部屋の中の人にだけ届きます。朝会が少し延びても、フロアでまだ電話をしている人の耳には入りません。

席の配置の例

地図は、テンプレートが3つ(小=25人向け・中=50人向け・大=100人向け)あり、オーナーが設定で変えられます(変えると、全員がつなぎ直します)。「どこに誰が座るか」は、チームの決まりとして決めておきます。たとえば、オペレーター14人(7人ずつの2チーム)と新人2人、SV 1人のセンターなら、次のように決めておくと迷いません。

場所座る人・使う時間決めておくこと
フロアの机のかたまり(チームごと)オペレーター電話の間は、下のバーでマイクを切る
かたまりの端の、SV に近い側入って間もない人(各チームに1人)迷ったら、まず挙手
かたまりから4マス以上離れた席SV声をかけるときだけ近づく
集中席後処理や研修の動画の時間用があればノックで
ブース1対1のふりかえりノックの承諾で移る
会議室朝会・終礼・ロールプレイ使う時間を決めておく

SV の席を4マス以上離すのは、声が3マス以内に届くからです。すぐそばにあると、SV がほかの人と話す声が、電話の最中のオペレーターの耳に入ってしまいます。席は少し離し、声をかけるときだけ歩いて近づく。オフィスで SV が通路を回っていたのと同じ形です。

電話の間にマイクを切るのは、お客様と話している声を、まわりの仲間に流さないためです。お客様との会話には、名前や連絡先が出てきます。仮想オフィスのマイクは、仲間と話すときだけ入れる、と決めておきます。

毎日だいたい同じ席に座ると決めておくと、SV が人を探しやすくなります。新人をかたまりの端に座らせるのは、挙手から声をかけるまでを短くするためです。

SV の「となりの席」は、机の場所そのものより、声をかけてよい合図と、数歩で行ける距離でできています。在宅でも、その二つは地図の上につくれます。

試すときは、1つのシフトから

30日のあいだ、有料と同じ機能を、同時50人まで無料で使えます。カードの登録はいりません。有料プランのお申し込みは準備中で、受付を始めるまでは、30日を過ぎても止まりません。

料金はスペースごとの定額で、登録する人数ではなく、同時に入っている人数で枠を選びます。スタンダードは同時25人で月¥6,600(税込)、ビジネスは同時50人で月¥11,000(税込)です。シフトで人が入れ替わるセンターでも、同じ時間にいる人数で考えられます。くわしくは料金と、仮想オフィスツールの料金の比較をご覧ください。

試すときの順番の例です。

  1. SV と、オペレーター2〜3人の1つのシフトで始める
  2. 最初の朝会で、「電話の間はマイクを切る」「ステータスの読み替え」「迷ったら挙手」の三つだけを決める
  3. オペレーターが家で使うパソコンとネットワークで、つながるかを確かめる。会社のネットワークの設定によっては、声と映像がつながらないことがあります。アプリの「自己診断」のページで確かめられます
  4. 電話と同じヘッドセットで、お客様の声と仲間の声を聞き分けられるかを、実際の席で試す
  5. 1週間たったら、聞きやすくなったかを、オペレーターに聞いてみる

使うのは、パソコンのブラウザ(Google Chrome か Microsoft Edge の最新版)です。インストールはいりません。動きは4つの動作、集中席とステータスは集中を守るで見られます。

導入モニターも募集しています。先着5チームに、有料プランの受付を始めてから3か月無料です。条件は、メールの質問票に答えて、事例づくりに協力していただくことです。くわしくは導入モニターをご覧ください。