料金と比較

メタバースオフィス(仮想オフィスツール)の比べ方:契約の前に確かめる12の項目

公開 他社の料金・条件は2026年10月28日 時点(各社の公式ページ)

メタバースオフィス(仮想オフィスツール)を契約する前に確かめることは、月の額の前に4つあります。人数を「登録した人」と「同時に入っている人」のどちらで数えるか、無料なのは「プラン」か「期間」か、枠を超えたときに何が起きるか、解約したあとデータがいつ消えるか、です。ここを先に見ておくと、使い始めてからの「思っていた額と違う」「人が入れない」を減らせます。

この記事では、その4つを含む12の項目を順に並べました。候補ごとに○・×・「記載なし」を書き出しながら読むと、そのまま比べる表になります。例に出すのは Gather・MetaLife・oVice と、この記事を書いている会社の製品 Hotori です。他社の額と条件は、2026年10月28日 時点の各社の公式ページ(出典)にあるものだけを書きました。節に名前が出てこない製品は、その項目を確かめていません。

「メタバースオフィス」と「仮想オフィスツール」は呼び方が違うだけで、フロアにアバターで集まり、近づくと声がつながる道具を指します。住所を借りる「バーチャルオフィス」とは別のものです。

1. 人数は「登録した人」か「同時に入っている人」か

料金ページの単位(「1人/月」か「1スペース/月」か)と、人数の欄の語を見ます。同じ「50人」でも、意味が違います。

料金ページの語意味例(2026年10月28日 時点・各社の公式ページ)
「メンバー」「席」「ID」「ユーザー登録数」登録した人の数で数える。たまにしか入らない人の分も払うGather(1メンバー月$15・月払い。年払いは月$12。米ドル)、oVice の Business 系(基本料金に20名分を含む)
「同時接続」「定員」「同時最大利用人数」同時に入っている人数の上限で数える。枠の中なら、登録が増えても額は同じMetaLife(定員50人のビジネスが月¥26,400・月額プラン)、oVice Entry-S(同時最大50人で月¥8,778・月払い)、Hotori(同時50人のビジネスが月¥11,000、同時25人のスタンダードが月¥6,600。どちらも月払い)
「推奨利用人数」ふだん使う人数の目安で、上限ではないoVice Entry-S(推奨10人・同時最大50人)

表の円は月払いの額です。どれも税込です。ただの「ユーザー数」は、同時か登録かを公式ページで確かめます。

同時50人を月払いで使うときは、oVice の Entry-S(¥8,778)と、この表にない Flexii のプラン50(¥10,725・税抜の額を税込に換算。Flexii の「ユーザー数」が同時か登録かは公式ページに記載がありません)が、Hotori のビジネス(¥11,000)より低い額です。比べているのは料金と人数の条件だけで、機能は各社で異なります。たとえば、Gather の料金には録画と文字起こしの時間の枠が含まれ、Hotori には録音・録画の機能がありません。8製品を同じ条件で並べた額は「仮想オフィスツール8製品の料金比較」にあります。

2. 無料なのは「プラン」か「期間」か

ずっと使える無料のプランか、始めてからの一定の期間かを見ます。

  • Gather:無料プランは2025年9月15日に終わり、今は30日の試用だけです。
  • MetaLife:無料のスタンダード(同時25人)があります。スペースは作成から最大60日で自動で閉じ、マイクは15日目から1日60分、ビデオと画面共有は1人1日40分までです。
  • oVice:14日の試用のあとに自動で移る Free があります。管理者1名・1スペースで、ほかのサービスとの連携は使えません。
  • Hotori:無料のプランはなく、30日の無料から始めます。

無料で足りるかの見分け方は「無料の仮想オフィスツールは?」にまとめています。

3. 試用は何日で、カードは要るか、終わるとどうなるか

日数・人数の枠・カードの要否と、終わると課金されるのか、使えなくなるのかを見ます。

  • Gather:30日・50メンバーまで・カード不要。契約しないと、入れるのは一度に管理者1人だけになります。
  • MetaLife:有料プランの試用期間は公式ページに記載がなく、無料のスペースで試す形です。
  • oVice:14日・Mサイズのスペース・カード登録不要。終わると Free に自動で移ります。
  • Hotori:30日・カード登録不要・同時50人まで・有料と同じ機能で、自動で有料にはなりません。試用期間が終わると、申し込むまでスペースは休止します(オーナーのほかは入れません)。

試用では、会社のネットワークで声と映像がつながるか、人が多い時間帯の人数で入れるか、会議室で画面を見せて定例ができるかを確かめます。

4. 年払いは何か月の約束で、途中でやめたらどうなるか

年払いは12か月の約束です。料金ページの「月あたり」は年払いの額を12で割った額のことがあり、毎月払う額とは別です。1年分をまとめて請求するか、途中で解約したときに返金があるか、月払いに戻せるかを見ます。

  • Gather:年払いは年額で請求します(米ドル)。
  • MetaLife:年額プランは1年分を請求します(ビジネスは月あたり¥22,000=年¥264,000の計算。月額プランは¥26,400)。
  • oVice:Entry-S の年払いは月あたり¥7,315=年¥87,780の計算(月払いは¥8,778)。契約は自動で更新し、年払いから月払いへは変えられません。Entry-M から Entry-S へは変えられず、Business 系を契約すると Entry には戻せません。
  • Hotori:年払いはスタンダードが¥66,000、ビジネスが¥99,000(税込)で、途中で解約しても返金しません(利用規約第12条)。契約中の変更はメールで受け、下位のプランへの変更と、月払いと年払いの切り替えは、次の更新の日から反映します(利用規約第10条)。有料プランのお申し込みの受付を始めてから先着50スペースは、契約が続くかぎり料金(税抜の額)を上げません(利用規約第13条)。

同時50人の年払いでも、oVice の Entry-S(年¥87,780)が、Hotori のビジネス(年¥99,000)より低い額です。

5. 声はどこまで届くか

何マス先まで届くか、同時に何人まで聞こえるか、聞かれたくないときに座る場所があるかを見ます。ヘルプを読むか、試用のときに3〜4人で確かめます。

Hotori では、まわり3マス以内の人と話せて、4マスから先は届きません。聞こえるのは近い順に8人までで、集中席の中はまわりの声が届かず、自分の声も届きません。

6. 会議室は閉じた部屋か、画面は誰に見えるか

会議室の中の声と画面共有が部屋の外に漏れないか、部屋の全員に届くか、一人で入ったとたんにカメラの画面が開かないかを見ます。

Hotori の会議室は、ビデオ会議(Google Meet など)のような閉じた部屋です。部屋の全員と声・カメラ・画面共有がつながり、部屋だけのチャットもあり、外には漏れません。会議室・ブース・和室は、一人で入っただけでは会議の画面を開かず、2人そろってから開きます。

7. 社外の人をどう招き、人数に数えるか

お客様や協力会社の人を招けるか、招待に期限とパスワードを付けられるか、その人を課金の人数に数えるかを見ます。

  • Gather:ゲストは席に数えません。ゲストの利用には月30時間〜の枠があります。
  • oVice:料金表の注記で、ゲスト権限の人は課金の対象外です。
  • Hotori:期限付き(1〜30日)の招待リンクでゲストとして招き、ゲスト用のパスワードも付けられます。ゲストも入っている間は同時の人数に数えます。

8. 録画・文字起こし・滞在の記録があるか

会議を記録に残したいチームと、残したくないチームで、合う道具は逆になります。録画・文字起こしの有無と、誰が何時間いたかの集計や勤怠の機能があるかを見ます。

  • Gather:Essential に、録画(20時間〜)と文字起こし(30時間〜)の時間の枠が含まれます。
  • Hotori:録音・録画の機能はありません。滞在時間の集計やランキングは作らず、出勤・退勤の打刻もしません。入室・退室を Slack や Chatwork に知らせる設定はありますが、送るのはオーナーが選んだときだけです。

9. 何をどこに保存し、いつ消すか

契約の情報(名前・メールアドレス・支払いの記録)と、声・映像・チャットの中身とを分けて、どの国のサーバーに置くか、いつまで残すかをプライバシーポリシーで確かめます。

Hotori は、名前・メールアドレス・支払いの記録をさくらインターネットのサーバー(東京)に置き、バックアップを毎日取って14日分を残します。ログインには Firebase Authentication(米国)を使います。音声・映像・チャット・アバターの位置は保存しません。

10. どの端末とブラウザで動くか

インストールが要るか、使えるブラウザと端末は何か、会社のネットワークで音声と映像がつながるかを見ます。

Hotori はインストール不要で、パソコンのブラウザ(Google Chrome または Microsoft Edge の最新版)で使います。Safari とスマートフォンでの動きは、確かめているところです。会社のネットワークの設定によってはつながらないことがあるため、アプリの自己診断のページで先に確かめられます。英語の画面もあり、ブラウザの言語で切り替わります。

11. 枠を超えたとき、何が起きるか

人数の枠を超えたときの扱いは、製品ごとに違います。試用と無料の期限の境目は、2と3に書いたとおりです。次は2026年10月28日 時点・各社の公式ページの記載です。

  • Gather:人数の上限は、公式ページに記載がありません。
  • MetaLife:公式の説明では、定員より多くの人が同時に入ると、スペース内の全員の通信が止まります。定員の中に戻ると、すぐに通信できます。定員に近づくと、知らせが出ます。
  • Hotori:2人までは超えて入れ、それより多いと「満員」と出ます(オーナーは入れます)。スタンダードで枠をよく超えるなら、ビジネス(同時50人)に変えます(契約中の変更は、メールで連絡します)。Hotori のプランは、同時50人の枠までです。

12. 解約はどこからでき、いつまで使えるか

解約を画面からできるか、解約したあといつまで使えるか、データがいつ消えるか、担当者が替わるときに引き継げるかを見ます。

  • Gather:メニューの Billing Dashboard(請求の画面)から解約でき、解約しても今の請求期間の終わりまで使えます。
  • Hotori:オーナーが「プランとお支払い」の画面からいつでも解約でき、支払い済みの期間の終わりまで使えます。その後、解約したまま90日たつとスペースのメンバー・招待・設定を消します。オーナーが削除したスペースは30日後に消えます。オーナーの役目は、管理者かメンバーに移せます(お支払いの登録も引き継がれます)。

確かめた結果の使い方

12の答えを候補ごとに書き出すと、そのまま稟議書の「比べた候補」「リスクと対策」「契約の条件」の欄になります。ひな形は「仮想オフィスツール導入の稟議書の書き方」にあります。

Hotori は、東京の小さな会社が作っている日本発の道具です。料金の条件は料金にまとめています。記載の社名・製品名は、各社の商標または登録商標です。各社と提携していません。

出典