使い道
在宅のインサイドセールスのチームに仮想オフィス:隣の席の相談とロープレの場を作る
在宅のインサイドセールスのチームで消えやすいのは、メールを書く手が止まったときや、電話を切った直後の「ちょっと聞いていいですか」です。隣の席の先輩に振り向いて聞いていたことが、在宅ではチャットを書くか通話を予約するかになり、小さな相談ほど飲み込まれます。声の仮想オフィスなら、相談はノックからブースへ、架電は集中席で、ロールプレイ(ロープレ)と朝会は会議室で、と場所を分けて取り戻せます。
ここでは、Hotori を使った回し方を、リーダー1人と担当者4人のチームを例にまとめます。コールセンターの SV(スーパーバイザー)の目線は別の記事に書いたので、ここでは売る側の少人数のチームの相談を中心に書きます。
在宅にすると、チームから何が消えるのか
返事を書く手が止まったときの「ちょっといいですか」
「この断られ方、次はどう返すか」「この見積りの質問、先に誰に確かめるか」。オフィスなら、隣の先輩に30秒で聞けました。在宅では、その30秒のためにチャットを書くことになります。書くほどでもないと思った質問は自分で決めて進めるので、同じつまずきを、何人もが別々に経験することになります。
先輩の電話を横で聞いて覚える時間
新しく入った人は、先輩が電話で何を言い、どこで引くかを横で聞いて覚えていました。在宅では、この時間がまとめて消えます。台本だけでは、間や声の調子は伝わりません。
ロープレと朝会の空気
新しい台本を試すロープレ、その日のリストと目標をそろえる朝会、夕方の「今日の商談の約束(アポ)はこう取った」の共有がありました。どれも短い時間ですが、ここでチームの調子がそろっていました。
商談と顧客管理は今の道具で、相談と練習の場だけを仮想オフィスに
Hotori は、仲間と相談し、練習するための場所です。お客様への電話とその録音、顧客管理(CRM や SFA)、商談の記録はしません。
| やりたいこと | どこでやるか |
|---|---|
| お客様への電話・録音 | お使いの電話の仕組み |
| お客様とのオンライン商談 | お客様の指定のビデオ会議ツール。こちらの会議室にゲストとして招くこともできます(後述) |
| 商談の記録・リストの管理 | 顧客管理の仕組みや表計算 |
| メールと電話の合間の相談 | 仮想オフィス(近づく・ノック・ブース) |
| 架電の時間に集中する | 仮想オフィスの集中席 |
| 朝会・ロープレ・ふりかえり | 仮想オフィスの会議室 |
Hotori は、音声・映像・チャットをサーバーに残さず、録音・録画の機能も、滞在時間の集計もありません。使い始める前に、このことをチームに伝えておくと、相談が出やすくなります。
合間の相談は、近づくか、ノックしてブースへ
担当者が電話を切り、「さっきの断られ方、どう切り返せばよかったか」を先輩に聞きたいとします。先輩のいまの様子で、やることが二つに分かれます。
先輩が在席なら、近づいて聞く
メンバー一覧で、先輩のステータスと、いる場所を見ます。「在席」でフロアにいれば、アバターで先輩の席のそばまで歩きます。3マス以内に近づくと、そのまま声がつながります(4マスから先は届きません)。
話している相手には、カメラや画面共有も見せられます。「このメールの返事、この一文で大丈夫ですか」と、書きかけの画面を見せながら聞けます。ただし、声も映像も、3マス以内にいるほかの仲間に届きます。お客様の名前や会社名が出る相談は、フロアを離れて、ブースか会議室へ移ってからにします。
先輩が商談中や架電中なら、ひとこと添えてノック
先輩が「会議中」(お客様とのオンライン商談)や「集中」(架電の時間)なら、近づいて話しかけるかわりに、メンバー一覧の「ノック」を使います。ひとこと添えて知らせます。たとえば「サンプル工業の返事の件、2分だけ相談できますか」。相手が「承諾してブースへ」を押すと、2人で空いているブースに移ります。手が離せなければ「あとで」と返せますし、断ることもできます。席を外している先輩には、設定しておけば Slack のチャンネルや Chatwork のグループチャットにも知らせが届きます。
ブースは、ノックの承諾で2人が移る小さな部屋です。会議室と同じ閉じた部屋で、2人そろうと会議の画面が開き、中の声・映像・部屋のチャットは部屋の外に届きません。お客様の情報が映る画面も、ブースに移ってからなら見せられます。その場で話している人をまとめてブースへ誘うこともできます。
電話の最中で声を出せないときは、DM で短く聞きます(500字まで。保存されず、相手がオンラインのときだけ届きます)。全員への連絡は全体のチャットに流し、あとで見返したい答えはチームの台本のファイルに書き足します。
架電の時間は、集中席で
集中席の中では、まわりの声も自分の声も届かず、映像もやり取りしません。席を立てば、いつもどおりに戻ります。
架電の時間に集中席に座ると、二つのことが同時に片づきます。仲間の相談の声が電話の最中に耳に入らないことと、お客様と話している自分の声が仲間に流れないことです。パソコンで電話をかける仕組み(ソフトフォンなど)を使う人は、お客様の声と仮想オフィスの声が同じヘッドセットに入ります。「架電は集中席で」と決めておくと、仲間の声と電話の声が混ざりません。
「電話中」が無いステータスを、どう読み替えるか
ステータスは在席・集中・会議中・離席の4つで、「電話中」「商談中」という項目はありません。集中席に座っても、会議室に入っても、ステータスは変わりません。架電の前に、下のバーのステータスで自分で「集中」を選びます。このチームでは、次のように読み替えます。
| ステータス | 読み替えの例 | まわりの動き |
|---|---|---|
| 在席 | メールの返事・リストづくり・調べもの | そばへ行って聞いてよい |
| 集中 | 架電の時間(集中席に座る) | 急ぎだけノック。ほかはあとで |
| 会議中 | お客様とのオンライン商談(集中席に移るか、マイクを切る) | 近づかない。ノックか DM |
| 離席 | 休憩・席を外している(別の画面で作業中のこともある) | メンバー一覧でフロアにいれば、ノックで聞く。返事が無ければ戻るまで待つ |
「会議中」は点の色で知らせるだけで、声は止まりません。ビデオ会議ツールで商談する間は、架電と同じく集中席に移るか、下のバーでマイクを切ります。お客様との会話を仲間に流さないためです。
商談の予定を自分のカレンダーに入れている人は、そのカレンダーを各自で登録しておきます。予定が始まったときに在席なら、自動で「会議中」になります(手で選んだ集中・離席はそのまま・繰り返しの予定も対象・終日の予定は対象外)。別の画面で作業していて「離席」になっていると「会議中」には変わらないので、必ず知らせたい商談は手で「会議中」を選びます。
5分間操作がないと自動で「離席」になり、マイクも切れます(会話中は切りません)。顧客管理やメールの画面で作業している間は、働いていても「離席」と出ることがあります。点の色で働きぶりを判定しないようにします(くわしくはSV の記事)。
ロープレと朝会は、会議室で
会議室の中では、距離に関係なく部屋の全員と話せ、カメラと画面共有も全員に届きます(部屋の中だけのチャットもあります)。声と映像は部屋の外には届かないので、フロアでメールを書いている人の邪魔になりません。
朝会は15分、画面に今日のリストを出す
リーダーが、その日の架電のリストと目標、前の日に出た質問への答えを、画面共有で見せます。質問は下のバーの「挙手」で受けます(アバターに手を挙げた印が付きます)。
ロープレは、2人が演じて、ほかの人が聞く
新しい台本や、よくある断り文句への切り返しを試すときは、会議室に集まります。担当者役とお客様役の2人が演じ、ほかの人は聞きます。お客様役は先輩が持ち、試す断り文句を先に二つ三つ決めておくと、15分でも回ります。台本は、演じる人が画面共有で出しておくと、聞く側が「どこで台本から外れたか」を追えます。終わったら、聞いていた人が挙手で、気づいたことを一つずつ言います。
Hotori には録音・録画の機能が無いので、ロープレを録って見返すことはできません。よかった言い回しは、聞いていた人がその場で手元のメモに書き、終わったらチームの台本のファイルに写します。記録に残らない場なので、新しい人が思い切って試せます。
夕方の10分は、「今日どう取ったか」を本人の声で
週に何度か、終わりの10分を会議室で取ります。その日にアポが取れた人に、どんな順番で何を言ったかを、本人の言葉で話してもらいます。話し方の勘どころは、文字で読むより声で聞くほうが残ります。
先輩の電話を横で聞いて覚える時間は、そのままの形では戻りません。お客様の声は電話の側にあり、お客様の名前が出る会話を仲間に流すのも避けたいからです。かわりに、電話のあとに「いま何を言ったか」を短く話す時間を作ります。
席の決め方と、1日の流れの例
地図のテンプレートは小・中・大の3つ(25人・50人・100人向け)で、5人のチームなら小で足ります。
コールセンターの記事では、SV の席をオペレーターから4マス以上離す配置を書きました。少人数の売る側のチームでは逆に、リーダーと入って間もない人が3マス以内に座ることにします。フロアにいる間は電話をしていないので、歩かなくても声が届く距離のほうが、迷ったときにすぐ聞けるからです。架電の時間は全員が集中席に移るので、リーダーの話し声が電話に混ざる心配はありません。誰がどこに座るかはチームで決めておきます(アバターの位置は保存されないので、入室したらその席まで歩きます)。
| 時間 | 場所 | ステータス | すること |
|---|---|---|---|
| 9:30〜9:45 | 会議室 | 会議中 | 朝会。今日のリストと目標 |
| 9:45〜11:30 | 集中席 | 集中 | 架電の時間 |
| 11:30〜12:30 | 自分の席 | 在席 | メールの返事・次のリスト。相談は近づくかノック |
| 13:30〜14:00 | 集中席(商談はお使いのビデオ会議ツール) | 会議中 | お客様とのオンライン商談 |
| 14:00〜16:00 | 集中席 | 集中 | 架電の時間 |
| 16:00〜17:20 | 自分の席 | 在席 | メール・記録・相談。新しい人のふりかえりは会議室かブースで |
| 17:20〜17:30 | 会議室 | 会議中 | 今日どう取ったかの共有(週に2〜3回) |
架電の時間を全員でそろえると、「いま聞いていい時間か」が誰にも分かります。
始める前に確かめておくこと
- 使うのは、パソコンのブラウザ(Google Chrome か Microsoft Edge の最新版)です。インストールはいりません。Safari とスマートフォンでの動きは、確かめているところです
- 登録は、Google アカウントかメールアドレスです。社員は、メールのドメインで制限できます
- 会社のネットワークの設定によっては、声と映像がつながらないことがあります。アプリの「自己診断」のページで、朝会の前に全員が一度、家のパソコンとネットワークで確かめておきます
- お客様をこちらの会議室に招くときは、ゲストとして招けます(招待のリンクは1〜30日の期限付き・ゲスト用のパスワードも付けられます)。ゲストも、入っている間は同時の人数に数えます
- 画面は日本語です。ブラウザの言語が英語なら、英語の画面に切り替わります。Hotori は日本発のサービスです
費用の目安
30日のあいだ、有料と同じ機能を同時50人まで無料で使えます(カードの登録は不要)。試用が終わっても、勝手に請求することはありません。有料はスペースごとの定額で、数えるのは同時に入っている人数です(ゲストも数えます)。同時25人で月¥6,600(税込)からです。5人のチームならスタンダードで足ります。くわしくは料金と仮想オフィスツールの料金の比較をご覧ください。
電話の席が中心のチームは「在宅コールセンターでの使い方」も参考になります。
まずは1週間、朝会とノックから
- リーダーと担当者2〜3人で始める
- 最初の朝会で、「架電は集中席で」「ステータスの読み替え」「相談はノックから」の三つだけを決める
- 3日目に、ロープレを1回だけ会議室でやってみる
- 1週間たったら、「聞きやすくなったか」「架電の時間に邪魔されなかったか」を担当者に聞く
先着5チームの導入モニターも募集しています。3か月無料です。条件は、メールの質問票に答えて、事例づくりに協力していただくことです。